食後の眠気を軽減する方法

食後の眠気を軽減する方法

食後にくる眠気の原因は、消化吸収のために血液が胃腸へ集中し、脳の血流が低下するためです。 そのため、胃腸の弱い人ほど消化吸収に血液が必要となるので、食後に極端な眠気がある場合は、 胃腸虚弱、身体虚弱の傾向があると考えたほうがよいでしょう。 しかし、あまりに度を越えて眠い、食後の仕事でのミスが多い場合は、 単なる胃腸虚弱ではない場合もありますので、お医者さんにご相談ください。

消化のよさと、量に気をつける

消化の良いものを、腹八分程度に食べるのが、眠気を抑えるポイントです。

●「消化が良い」とは
消化とは、食べ物に含まれる栄養素を、体が吸収できるように分子レベルまで細かく分解することです。 したがって「消化が良い食べ物」とは、「すばやく細かくなりやすい食べ物」 「分解しやすい食べ物」という意味になるでしょう。

●消化を助ける食べ方
食べ物は、口の中で細かく噛み砕かれた後、胃に送られ、胃の中でドロドロとした粥状になります。 胃では、胃液を分泌し、胃を取り巻く平滑筋を運動させて胃を動かす（ぜん動運動）ことで、食べ物を粥状にします。

この働きを助け、消化による体への負担を軽くし、眠気を最小限に抑えるためには、以下のような方法が考えられます。

・口の中でよく噛んで細かくする 　…胃で粥状にする作業を助け、そのために必要となる血液を節約します。

・そもそも細かくなっている食べ物を食べる 　…小麦粉などの粉からできている食べ物は、米などの粒状の食べ物より容易に分解されやすいです。 ただし、消化吸収が早い分、血糖値を急激に上げやすいなどの問題があります。

・そもそも柔らかくなっている食べ物を食べる 　…生のものより煮てある物のほうが結合組織が軟化しているため、分解されやすいです。 ただし、生の食べ物には「消化酵素が含まれている」という利点があるため（下記参照）、 適宜摂ると良いでしょう。

・胃液の分泌を助けるため、リラックスする 　…胃液や唾液は、副交感神経の働きによって分泌されます。 ですので、リラックスして副交感神経を優位にすることで、胃液の分泌が促進され、消化を助けることができます。 食事の時くらい、仕事や嫌なことを忘れる心がけが必要かもしれませんね。

・多量の油ものは避ける 　…脂肪分は胃でほとんど分解されず、十二指腸に到達します。 すると、脂肪分を分解する命令を出すホルモン（コレシストキニン）が分泌され、 十二指腸や小腸において脂肪分の分解が本格的に始まります。 ですがこのホルモンは、胃の動きを鈍らせる（ゆっくりにする）ことで、胃の中の食べ物をしっかり粥状にしようとする作用があります。 そのため、胃の中に食べ物が留まりやすくなり、もたれた感じがするわけです。 脂肪分が十二指腸や小腸にある間はずっとこのホルモンが分泌され、胃は、動きが鈍りながらも食べ物を十二指腸に送り出すまでは 動きっぱなしになってしまいます。 このような状態ですと脳へ行く血液が少なくなり眠くなりますので、油物の摂取は適量にしましょう。

脂肪による胃もたれにはこれ。


・温かいものをとる …胃を動かしているのは胃を取り巻く筋肉ですから、やはり温かいほうがパフォーマンスが良いわけです。 胃の粘膜を傷つけないためにも、冷たすぎる、または熱すぎる食べ物は避けた方が良いでしょう。

・消化酵素を取り入れる …生の野菜、果物、魚や肉は、栄養分を消化吸収するための酵素をたくさん含んでいます。 したがってこれらのものを摂取すると、一緒に食べたものの消化吸収を助けてくれます。 しかし生ものは体を冷やす作用があり、あまり取りすぎると胃の働きを鈍らせてしまうため、摂り過ぎは逆効果です。

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胃腸を強くする方法

日中の眠気を抑えるために胃腸を強くしたいのであれば、 漢方薬による体質改善がもっとも効果的です。 漢方医または薬剤師に相談するとよいでしょう。（ちなみに、お医者様を受診して処方箋を出してもらったほうが、 薬局で直接漢方薬を買うよりも安くて済みます。） また、体全体を丈夫にするという意味では、毎日少しでも運動し、自律神経を整えることが大切です。 まずは１日１０分程のエクササイズ・ストレッチを目標にしましょう。 ラジオ体操でも構いません。歩いて通勤・買い物をするなど、無理のなり範囲で始めてみましょう。



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